抗生剤の選択


感染症

起因菌

初期治療

院外肺炎−細菌性肺炎

Streptococcus pneumoniae
H. influenzae(慢性気管支炎、COPD)
Klebsiella pneumoniae(老人)
Staphylococcus aureus(インフルエンザ罹患後)

  • CTMパンスポリンまたはSBT/ABPC ユナシンSまたは
    CTXセフタックスまたはCTRXロセフィン(外来治療の場合)
  • 痰のグラム染色でグラム陽性双球菌が多い場合(肺炎球菌)
    →ABPCビクシリン(1g6時間ごと:4g/日)またはCTXセフォタックス
  • 軽症または非定型肺炎と鑑別しにくい場合(外来治療)
    →CAMクラリス400‾800mg分2内服またはAZMジスロマック±CTRXロセフィン

院外肺炎−非定型肺炎

Mycoplasma pneumoniae
Clamydia pneumoniae
Clamydia psittaci(鳥を飼っている)
Legionella pneumophila(老人、免疫不全)

  • CAMクラリスまたはAZMジスロマック
  • EMエリスロマイシン
  • MINOミノマイシン(100mg12時間ごと)

院外肺炎−吸引性肺炎・肺膿瘍
(痙攣後、抜歯後、意識障害者)

Peptostreptococcus
Fusobacterium
Prevotella

  • CLDMダラシンS
  • 細菌性肺炎と鑑別しにくい場合あるいは混合感染の場合
    →CMZセフメタゾンまたはSBT/ABPCユナシンS

院外肺炎−重症院外肺炎

  • CTXセフォタックスまたはCTRXロセフィンまたは
    SBT/ABPCユナシンS+EMエリスロマイシン(またはMINOミノマイシン)
  • CLDMダラシンSを加える場合もある(SBT/ABPCユナシンSの場合は不要)

院内肺炎
(多くはグラム陰性桿菌、吸引が関与)

Klebsiella pneumoniae
Enterobacter sp.
Serratia sp. Pseudomonas aeruginosa
MRSA
Peptostreptococcus
Fusobacterium
Bacteroides sp.
Legionella pneumophila

  • CTXセフォタックスまたはCAZモダシンまたはCFPMマキシピーム±CLDMダラシンS
  • AZTアザクタム+CLDMダラシンS
  • SBT/ABPCユナシンS(入院後早期の場合)
  • IPM/CSチエナムまたはMEPMメロペン(重症で耐性グラム陰性桿菌の可能性がある場合)
  • 重症でMRSAの可能性がある場合
    → 上記+VCMバンコマイシン
  • Pseudomonas aeruginosaの場合
    • PIPCペントシリン+TOBトブラシン
    • CAZモダシン+TOBトブラシン±CLDMダラシンS
    • TAZ/PIPCタゾシン
    • IPM/CS
  • Legionellaの疑いがある場合
    →上記+EMエリスロマイシンまたはMINOミノマイシン

胆道系感染症

E. coli
Klebsiella
Proteus Enterococcus
Bacteroides
Clostridium

  • 比較的軽症〜中等度
    → CMZセフメタゾン
  • 中等度〜重症
    • CMZセフメタゾン+GMゲンタシンまたはTOBトブラシン
    • PIPCペントシリン+GMゲンタシンまたはTOBトブラシン
    • CTXセフォタックス±GMゲンタシン+CLDMダラシンS
    • TAZ/PIPCタゾシン

髄膜炎
院外感染ー症状の経過が急性の場合

  • 髄液:
    • 細胞数↑
    • 多核白血球>単球
    • 糖↓
    • 蛋白↑

Streptococcus pneumoniae
H. influenzae(5歳以下)
Staphylococcus aureus E. coli
Klebsiella

  • 起炎菌判明まで(初期治療)
    → CTRXロセフィン(2g2時間ごと、4g/日)+VCMバンコマイシン+ABPCアンピシリン(2g4時間ごと、12g/日)
    (リステリアが否定できればABPCは不要)
  • ペニシリン耐性肺炎球菌の可能性がある場合の初期治療
    → CTRXロセフィンまたはCTXセフォタックス(2g6時間ごと、8g/日)+VCMバンコマイシン
  • Streptococcus pneumoniaeの場合
    → CTRXロセフィン(2g2時間ごと、4g/日)+VCMバンコマイシン(30mg/kg/日、分2)±RFPリファンピシン(600mg/日、分2)または
    MEPMメロペン(1g6〜8時間ごと、3〜4g/日)±VCMバンコマイシン
  • Staphylococcus aureus(MSSA)の場合
    → MEPMメロペン(1g6〜8時間ごと、3〜4g/日)
  • MRSAの場合
    → VCMバンコマイシン+RFPリファンピシン±ST合剤バクトラミン静注6A/日、分2)
  • グラム陰性桿菌の場合
    → CTRXロセフィン(2g2時間ごと、4g/日)

髄膜炎
院外感染ー亜急性の場合

  • 髄液:
    • 細胞数↑
    • 多核白血球<単球
    • 糖↓
    • 蛋白↑

Listeria monocytogenes
M. tuberculosis
Cryptococcus virus

  • Listeriaでは多核白血球≧単球の場合もある。
  • virusでは髄液:
    • 細胞数↑
    • 多核白血球<単球
    • 糖・蛋白の変化軽度
  • Listeriaの場合
    → ABPCアンピシリン(2g4時間ごと、12g/日)+GMゲンタマイシン
  • 結核の疑われる場合(髄液の抗酸菌染色およびPCR法
    → INH+RFP+PZA
  • Cryptococcusの疑われる場合(髄液Cryptococcus抗原)
    → FLCZジフルカン(400mg24時間ごと)
  • 起炎菌判明まで
    → 症状が進行性の場合、これらを併用する

髄膜炎
院内感染
脳外科手術後、VPshunt術後、
敗血症(特にS. aureus心内膜炎後
腰椎穿刺後

Klebsiella
Enterobacter
Serratia
Pseudomonas aeruginosa
Acinetobacter
MRSA
MRSE

  • 起炎菌判明まで
    → VCMバンコマイシン+CAZモダシンまたはCFPMマキシピーム±ST合剤バクトラミン
  • MRSAの場合
    → VCMバンコマイシン+RFPリファンピシンまたはST合剤バクトラミン静注6A/日、分2)
  • MRSE場合
    → VCMバンコマイシン+RFPリファンピシン±GMゲンタシン
  • Pseudomonas aeruginosaの場合
    → CAZモダシン+TOBトブラシン

腎盂腎炎ー院外感染

E. coli
Klebsiella
Proteus mirabilis
Enterococcusなど

  • 尿沈渣のグラム染色でグラム陰性桿菌+の場合
    → CTMパンスポリン(1g8時間ごと、3g/日)
  • 尿沈渣のグラム染色でグラム陽性連鎖球菌+の場合
    → ABPCビクシリン+GMゲンタシン
  • 敗血症的であれば
    → CTMパンスポリン+GMゲンタシン(3日間)
  • 敗血症性ショック、重症の場合
    → CTXセフォタックス+GMゲンタシン
  • 感受性のよいE. coliと判明し、全身状態が落ち着いた場合→ CEZセファメジンまたはCTMセフォチアム

腎盂腎炎ー院内感染

E. coli
Klebsiella
Proteus vulgaris
Enterobacter
Serratia
Pseudomonas aeruginosa
Enterococcus
MRSA

  • CTXセフォタックスまたはCAZモダシンまたはCFPMマキシピーム+TOBトブラシン
  • Pseudomonas aeruginosaの疑われる場合
    → 
    • PIPCペントシリン+TOBトブラシン
    • CAZモダシン+TOBトブラシン
    • CFPMマキシピーム±TOBトブラシン
  • MRSAの疑われる場合
    → 上記+VCMバンコマイシン
  • Enterococcusが疑われる場合→ ビクシリンABPC+GMゲンタシン

好中球減少者の発熱

E. coli
Klebsiella
Proteus
Enterobacter
Serratia
Staphylococcus aureus(MRSAも)
Enterococcus
Bacteroides
Clostridium
Candida
Aspergillus

  • MRSAの可能性が低い場合
    → 
    • PIPCペントシリン(2g6時間ごと、8g/日)+TOBトブラシン(3‾5mg/kg/日)
    • CAZモダシン(1g6時間ごと、4g/日)+TOBトブラシン
    • CFPMマキシピーム(1g6〜8時間ごと、3〜4g/日)±TOBトブラシン
  • MRSA(MRSE)の可能性がある場合、または上記で3日間投与で反応が充分でない場合
    → 上記+VCMバンコマイシン
  • +VCMでも反応が充分でない場合→ FLCZジフルカン(400mg24時間ごと)またはMCFGファンガードを加える
  • G-CSFを併用する
  • アミノグリコシド系が使い難い場合(腎障害など)または耐性グラム陰性桿菌の可能性がある場合
    → IPM/CSチエナム(0.5g6時間ごと、2g/日)
  • 肛門周囲炎など嫌気性菌感染が疑われる場合
    → 上記のPIPCペントシリン+TOBトブラシンまたはCAZモダシン+TOBトブラシンにCLDMダラシンS(600mg8時間ごと、1800mg/日)を加える

血管内カテーテル感染
敗血症性血栓性静脈炎

MRSA
MRSE
Streptococcus
E. coli
Klebsiella
Enterobacter
Pseudomonoas aeruginosa
Enterococcus
Candida(IVHで多い)

  • 起炎菌判明まで
    → VCMバンコマイシンン+(TOBトブラシンまたはCAZモダシンまたはAZTアザクタム)
  • MRSAの場合(UCGを行う)
    → VCMバンコマイシンン
  • Candidaの場合(眼底・UCGを)→ FLCZジフルカンまたはMCFGファンガード


Back Home