MRSA感染について

治療

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7 治療
     MRSA感染症も治療は一般の感染症と同様に、抗生物質によ
    る治療が主体となるが、時として死亡例も経験されるため的確な
    診断と迅速な治療の開始が要求される。

 A.全身状態の改善
     全身状態の悪い患者に発症することが多いので、全身状態の改
    善に努めなければならない。特に糖尿病患者では、糖尿病の治療
    をMRSAの治療と並行して行う必要がある。

 B.早期治療

     MRSAによる感染症が起これば、有効な抗生物質で治療を行
    うことになるが、早期治療を開始すればするほど治療効果も高く
    なる。通常の黄色ブドウ球菌感染の治療中に抗生物質が効かなく
    なってきた場合は、MRSAが選択されたものとして、MRSA
    と診断される前に有効な抗生物質に変更する必要がある。

 C.抗生物質による治療
  1.抗生物質の種類
     経口薬でMRSAに有効とされるものは、ニュ−キノロン系抗
    菌剤のノルフロキサシン,オフロキサシン等であり、第一選択と
    されることもあるが、近年これらに耐性のMRSAが増加してい
    る。その他、ミノサイクリン,リファンピシン,アルベカシン,
    バンコマイン等があり、これらはいずれもMRSAによる腸炎に
    効果が期待できる。特にバンコマイシンが最も有効で耐性の報告
    はなく。副作用に注意して投与すると効果が認められる場合が多
    い。一般的には、経口薬に比べ注射薬が効果を発揮する場合が多
    い。
  2.抗生物質の選択
     各々の患者に対する有効性と当該病院で発生しているMRSA
    の抗生物質感受性で決定すべきである。例えば、イミペネム/シ
    ラスタチンナトリウムは、当初ほぼ100%有効であったが、最
    近は耐性株の増加が顕著である。このようなことから考えても、
    有効な抗生物質を選択するためには、各病院におけるMRSAの
    感受性動向を十分把握しておく必要がある。
  3.投与方法
     これらの薬剤は単独で使用されるのみならず、ホスホマイシン
    と併用されることも多い。これは、ホスホマイシンとの相乗作用
    を期待した治療法として広く行われており、多くの患者を救命し
    えたと報告されている。又、ニュ−キノロン系抗菌剤との併用で
    も相乗効果があるとされている。さらにセフォチアムとイミペネ
    ム/シラスタチンナトリウムの併用法も効果がすぐれている。
     抗生物質をどの程度の期間、投与すべきかは、もちろん症例ご
    とに異なるが耐性菌をつくらないように無用の抗生物質の長期使
    用を避けなければならない。又、保菌者をつくらないため、治療
    終了時に鼻咽喉のMRSAの有無を検索する必要がある。


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