MRSA感染について

原因菌

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原因菌

MRSA感染について

   近年MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が問題となってき
  ている。これはブドウ球菌に対して抗菌力の弱い抗性物質の濫用によ
  り生じた多剤耐性の黄色ブドウ球菌を指している。この菌は他菌との
  共存性は弱いが、易感染性患者にとって治療することが難しい感染症
  を引き起こす可能性を有している。
   MRSA感染症の特徴は、表層感染の場合は、一般的には予後は良
  いが、深部感染では、多くの抗生物質が無効な例に遭遇することがあ
  る。したがって、有効な治療と合わせて、次の基本的な対策を十分に
  行う必要がある。
   
     抗生物質の適正な使用、すなわち、科学的評価に基づかない漫
     然とした濫用(使用期間、薬剤の種類ともに)を避ける。

     強力なサベイランスによって、感染源の積極的な探索と、その
     排除及びそれから生じる伝播経路の遮断を行う。


1.原因菌

   MRSAは、ペニシリン系はもとより、セフェム系抗生物質、アミ
  ノ配糖対系抗生物質にも広く耐性を持った多剤耐性の黄色ブドウ球菌
  である。
   近年、ブドウ球菌に対して抵菌力の弱い第三世代セフェム系抗生物
  質が濫用された結果、この耐生菌が選択的に増殖して、病院内で伝播
  するようになった。
   黄色ブドウ球菌は、人の鼻くう、咽頭、口くう、皮膚及び腸管内の
  常在菌であり、この菌は種々の毒素を産生することがしられている。
  例えばエンテロトキシン、毒素ショック症候郡毒素、プロテア−ゼ、
  ヘモリジン、ロイコシジン等の毒素を出す菌は、感染局所の炎症を拡
  大し、侵襲を増大させて感染を強く成立させるのに寄与している。


   MRSAの各種消毒薬に対する感受性は、一般の黄色ブドウ球菌と
  ほぼ同じである(付録2消毒の適用表を参照)
   MRSAはとくに通常の黄色ブドウ球菌と比べて毒性が強いわけあ
  ないが、これが深部に選択的に増殖すれば毒性が増幅し、重篤な病態
  を引き起こす。

MRSAの歴史


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