院内感染防止全般についての基本事項

サ−ベイランス (流行監視機能)

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3.サ−ベイランス (流行監視機能)

   サ−ベイランスは、疾病対策の基本であり、サ−ベイランスが充分
  に機能しなくては、疾病予防は効果的には行われない、院内感染防止
  対策も同様である。
  院内感染サ−ベイランスシステムを機能させるには、次の点に留意す
  ることが必要である。

     入院患者を対象とする(外来患者は追跡、分析等の対象にする
     は流動的で、費用効果がすくない)、病棟婦長が当該病棟の院
     内感染の疑いのある患者報告の責任者となり、関係医師の判断
     で院内感染かどうかの確定を行う。もし確定できない場合は、
     院内感染委員会の決定に委ねる。

     積極的に院内感染の疑いのある患者を発見するためには、一定
     の指標を立ててサ−ベイランスを行うことが望まれる。例えば
     原疾病によらない発熱(38℃以上)化膿巣の出現及び白血球
     数の異常の3点は、その指標として適当である。これらの指に
     基づきリストアップされた患者について、担当医が検査室の検
     査成績も合わせて院内感染か否かを判断し報告する。(婦長が院
     内感染の疑われる症例を毎週リストアップする)。これらの指
     標以外の症状で院内感染を疑い場合は、別途、報告に加える。
     例えば、MRSAについては抗生物質耐生にとる難治性の疾病、
     帯状砲疹の患者からの水痘の流行等についても、サ−ベイライ
     ンスの対象となる。

     検査室で分離された起因微生物を参考にしてサ−ベイランスを
     行うことも有効である。分離菌の変化、耐生菌の出現等、検査
     室の日常業務を通じて院内感染発生を探知できることも多い。

     報告には、まとめの月報、年報が必要である。発生がない場合
     でも、”0 ”として報告することが重要である(無報告 ”0 ”
     報告とは、持つ意味に大きな違いがあることに留意する)
     なお、この報告をフィ−ドバックすることにより、サ−ベイラ
     ンス実施者の関心を高め、ひいてはサ−ベインランスの質の向
     上につながる。
                           


            院内感染対策委員会



       サ−ベイランス ↑ ↓ 月報.年報.
               ↑ ↓   
                    ←←
               病 棟      検査室
                    →→

   以上の報告表に用いる調査票の例を「付録1.サ−ベイランス調査
  表の見本」に示す。

     院内感染対策委員会は、報告について疫学的分析を行う。すな
     わち、発生率、感染症の種類、起因微生物の種類及びその変化、
     感染原因、発生例の集積する病棟、症例の転帰、特殊発生例等
     を分析し、院内感染対策確立の基礎資料とする。


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